2020/02/19 01:23
ここのお店ではアメリカのミッドセンチュリー・モダンの逸品をお届けします!と言いつつご紹介するのはまさかのソビエト連邦時代、1960年代に制作された金属製のコルク抜きです。
最初に見た時にダックスフントのあまりの可愛さに一目惚れしました。よく見るとちゃんと目もあって、抽象的ながらもとぼけた表情をしています。
このような動物をモチーフとした金属製品をデザインしていたデザイナーとしてはウイーンで活躍していたウォルター・ボッセが挙げられますが、このダックスフントのコルク抜きはそのボッセのデザインから影響を受け、ソ連邦国内で生産されていたもののようです。
金属製ですので小ぶりながらも重量感があり、倒れることなく自立しますので、使わない時は小さなオブジェとして飾っておくことができます。大きさはちょうど大人の手のひらに乗るサイズ。握ってみると案外小さく感じますが、金属でしっかりと作ってあるのでこの大きさでもきちんと機能したのだと思います。とはいえそれなりに古いものですので、実際にコルク抜きとしてお使いになる際は自己責任で。
ミッドセンチュリーモダンのデザインの面白さ、と言うのはデザインそのものは高度に抽象化されているにも関わらず、どこかに軽さとユーモアを感じる部分にあると思います。よくよく考えるとこのコルク抜きもアメリカとソヴィエト連邦がお互いに水爆や原爆を競うように開発していた、いわゆる東西冷戦時代のもっとも暗い時期に作られているわけですが、そんな暗い時代の産物にしてはあまりにも気が抜けた、というか飄々とした空気感すら漂わせています。